西沢立衛さんの建築を好きになって、一番に行きたくなった場所です。私は、梅雨生まれということもあり雨が好きなのですが、雨を最大限に楽しむ美術館。本日は「豊島美術館」のお話です。

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まず、豊島へのアクセスについて簡単にご説明します。

豊島美術館、アクセス

赤くなっているのが豊島です。

岡山県と香川県の間にある瀬戸内海の島々の一つで、住所は香川県になります。

直島と小豆島の間にあり、どこからでも、フェリーでしか行けない場所です。

美術館は港から自転車で3、40分ほどのところにあります。

小高い丘にあるので電動自転車でないとちょっときつい場所ですが、

徐々に見えてくる美術館は、いい演出に思えました。

設計者は、西沢立衛氏。出来上がったのが2010年です。

この美術館を建てるにあたって、3つのコンセプトがありました。

Concept
1. 内藤礼の「母型」という作品との一体 →美術との一体
2. 洞窟のような土木構造物と建築物の中間 →地形との一体
3. 豊島の自然豊かな環境が流れ込む空間 →自然との一体

一つ目が、アーティストである内藤礼の「母型」という作品との一体。つまり、美術との一体です。一つの作品と一つの建物の合体。

二つ目が、小高い丘をのぼり、そのまま洞窟に入るかのような、地形との一体。

三っ目が豊島の自然との一体です。

この三つを達成するために、設計者である

西沢立衛氏、アーティストの内藤礼氏、美術館サイドの方、施工者

この四人が毎月一度集まり、設計から工事の間、話し合いを重ねたそうです。

かなりの期間をかけたこともあり、出来上がりに全員が大満足したというのを

インタビュー記事で読みました。

その建物の全景がトップの写真になります。これは、以前訪れた際に写したものです。

周りは棚田が広がっています。

下は見辛いですが美術館の地図になります。

豊島美術館、地図

チケットセンターとカフェも併設されています。

美術館の大きさは40メートルかける60メートル。最高高さが4、5メートル。

構造は「水滴」をモチーフとした、柱が一本もないRCシェル構造になります。

では、どのように作られたか、構造について見ていきたいと思います。

「前例のないコンクリート打設法」

まず、3次元曲線で土を盛って、それを型枠にしています。

しずく型に土を盛り、その上に鉄を組むのですが、その際に細心の注意が払われたそうです。

土の上に落ち葉一枚でも乗ってしまうと天井に跡がついてしますのです。

そのため、職人さんは上履きに履き替えて、鉄筋の隙間に入った枯葉は、

毎日のように手作業で拾い出し、約一ヶ月を費やし組んだそうです。

その後、セメントは継ぎ目なくするために、大勢の職人さんが徹夜をして、

なんと、一日で仕上げたそうです。

そして、穴から土をかき出し、床に目視では確認できないほどの勾配をつけ、

最後に撥水剤を塗布し完成しました。

普通、型はベニア板で型をとると思うのですが、盛り土というのが斬新ですね。

では、美術館に入っていきます。

入り口では靴を脱ぐように言われ、スリッパを渡されます。

内部は写真をとることが出来ませんので訪れた際は、全身でインプットしてください。

大小二つの開口部があり、リボンが吊るされています。

このリボンが風に揺れ、陰も揺れて、目でも風を感じることができます。

足元に目をやると、無数の小さな穴から水滴が生まれています。

まるで生きているようにコロコロと動き、一日をかけて小さな泉をつくっています。

水滴は集まるものもあれば、穴に戻るものあり、その際のココッコという音に

かなり癒されます。

床に座り、流れる雲、揺れるリボンや水滴に映る緑などを眺めているのが

とても心地よく、いつまでも居たくなる空間でした。

私がこの美術館の一番すきなところは、窓がないところです。

雨の日はどうするの?という疑問が湧きますが、地元の方に伺ったところ、

雨の日が一番おすすめだそうです。

天井が低いので雨音を聞きながら、開口部に降り注ぐ雨を眺めるのはさぞかしと想像し

また行けたらなと思っています。

続いて、有名ですが

設計者である西沢立衛さんについて少し触れます。

個人事務所の他に女性の建築家である妹島和世さんと

SANAAというユニットを組まれていて、国内外で活躍されています。

近い未来である2027年の渋谷の再開発にも携わっていらっしゃるので、

今から楽しみです。

最後に、内部の写真が撮れなかったので

豊島美術館で購入した写真集が、あまりにも良かったのでご紹介させていただきます。

これは裏表紙にバーコード一つ無く、非常に美しい創りになっています。

これを眺めるたびにあの時の空気感を思い出し、疲れが癒えます。

豊島美術館、西沢立衛、内藤礼、写真集

勿論、実際に訪れて雨だったら最高ですよね。ぜひ、一度訪れてみてください。

豊島美術館

時間=10:30–16:00(10月–2月)、10:00–17:00(3月–9月) ※最終入館は閉館の30分前まで
休館=火曜日(3月–11月)、火–木曜日(12月–2月)
※祝日の場合は開館、翌日休館
料金=一般1,500円(1,540円:2014年4月1日~)、15歳以下無料


Posted by:suimon39

水紋のように、日々静かに広がる楽しみを味わいます。建築、本、美術館、映画、カメラ、グルメが好きです。

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